8月7日付 朝日新聞朝刊『くらしの扉』

本日8月7日付 朝日新聞朝刊『くらしの扉』に、Safty Kidsいずみさんと私・長谷川がコメントしています。
 
夏休み、花火をする方も多いと思いますのでぜひ参考にしていただけたらと思います。
以下、全文になります。

夏の夜と言えば、花火。特に友達や家族と遊べる家庭用花火は楽しいものです。最新の花火事情や気をつけたいマナーなどを専門家に聞きました。

 家庭用の花火は通称「おもちゃ花火」。毎年100種類以上の新商品が発売されている。打ち上げや手持ち、回転するものなどがあり、バリエーションも豊富になっている。
 ログイン前の続き大手おもちゃ花火メーカー「オンダ」(東京都台東区)の取締役、恩田郷子さんに最近の売れ筋を教えてもらった。たとえば「ロング花火」は、ススキ花火の進化形。通常15秒ほどだった燃焼時間を70秒にし、火花の色も10回変化する。小さい子どものいる親から「火をつけて子どもに手渡した後、すぐ消えてしまう」と言われたのが開発のきっかけだった。
 住宅地でも遊びやすいようにと作った「けむり少なめセット」は、ススキ花火に比べて煙が少ないスパークラー花火がメインだ。「カレー」や「チョコ」の香り付きといった変わり種も。水中で燃え続ける金魚花火は、昭和30年代からある国産花火だが、いったん廃れたものを復活させたという。
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 花火をする場所で要注意なのが公園だ。自治体の条例などで規制している場合があるため、公園管理事務所などで事前に確認を。花火自体は禁止していなくても、時間や花火の種類を制限している場合もある。全日本中国花火輸入協同組合のウェブサイト(http://www.hanabi-iccf.com/別ウインドウで開きます)では、会員が花火規制について調べた公園マップなどを掲載している。
 また、正しい使い方をしないと、思わぬ事故が起きることもある。業界団体で作る日本煙火協会によると、「打ち上げ花火にライターで点火したところ、着火と同時に打ち上がり目などをやけどした」「スパークラー花火にまとめて火をつけたら炎が燃え上がり、手にやけどをした」などの事故例がある。花火の袋などに書かれている使用方法を、面倒でも遊ぶ前に一読したい。
 協会は「点火にはマッチやライター、花火を使わないで」と呼びかけている。手持ち花火ならロウソクで。導火線がある花火は手に持った線香や蚊取り線香を近付けて点火するよう勧める。協会の河野晴行さんは「ライターやロウソクは炎が大きくて導火線に火がついた瞬間がわかりにくい。線香でも十分な熱量があり、安全です」。
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 大切なのはマナー。協会は各地で消防署などが開く花火教室に協力している。「最近は小さいころに花火で遊んだ経験が少ない人も増え、基本的なことを伝える」活動が重要という。
 必ずバケツに水を用意して火の始末を徹底しよう。後片付けもしっかりと。注意したいのは、風向き。夏場は窓を開けている家も多いので、煙が流れていかないように気をつけよう。深夜に音の出る花火はしないで。マナーを守ることが、花火を楽しむ環境を守る。
 (松川希実)


 <火花の表情、違いは> 花火の炎や火花は、火薬に含まれる金属によって色や出方が変わる。日本煙火協会によると赤い炎はストロンチウム、青は銅、黄色ならナトリウムの化合物を使用。福岡県の筒井時正玩具花火製造所の商品の一つは「金属花火」。マグナリウム花火は「ぱちぱち」、アルミニウム花火は「さらさら」と表現。金属ごとに火花の表情が異なる、としている。
 

<服装にも注意> 子どもの事故の予防を目指す団体「Safety Kids いずみ」は、花火で遊ぶ時には、火花でやけどしないよう甲を覆う靴をはくことを勧める。浴衣も、ひらひらの袖や帯に火が燃え移るおそれがあるので注意を。米国式危機管理教育を広める元在日米海軍消防隊の長谷川祐子さんによると、服に火がつき、水がない場合は地面に倒れて転がると消火できる。「子どもには遊びを通して火の扱いも学ばせて」と話す。