冬のリスクウォッチ 

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  ◆Winter Storm 冬の嵐への備え

  ◆CO 一酸化炭素中毒の事故

  ◆Heatng Safety  暖房器の安全


 

 

Winter Storm 冬の嵐への備え


 

”本格的な冬のシーズンです。”

 

私の住む関東地方では冬は晴天が多く、乾燥による火災は多発しており、死亡者も報告されています。ただ近年の

気象の変化により毎年思いがけない大雪に交通網が混乱し、地域孤立など深刻な状況をする報告がなされています。

今年も暖冬の中、突然の大雪に右往左往する私たちのニュースも聞かれるようになりました。

 

冬の嵐は冷たい空気や湿気は雨、みぞれ、または雪の冬の嵐は冷たい空気と湿気をもたらす雲を形成した時に起こります。

このような日々が続いて、ある日すさまじい風、極端な寒さと多くの雨、雪をもたらします。

広大な土地を持つアメリカでは、Winter Storm(冬の嵐)の警戒をし、子供たちへの教育も積極的になされています。

 

”冬仕様の災害準備品”

 

アメリカの多くの場所で毎年冬の嵐が起きます。そして日本よりユーティリティー(ガス、電気、水道)の確実性がない地域も多く十分な準備を呼びかけられています。

以下に特に重要な5つを紹介します。

 

1.家の気密性を高める

 断熱材、コーキング、目張りなど、気密性を高めるグッズで対策しましょう。

 

2.数日間家に閉じ込められた時の物資を集める

食品や水(災害時の保存食も可)、温かい服装、寝具、情報のためのラジオと乾電池、懐中電灯と予備電池、薬などの一人一人の必要なもの。雪かきシャベルや砂など。

 

3.電気が途絶えた時に備える

またもし電気が途絶えると、アメリカでは発電機や暖炉を使用します。そのために必ず一酸化炭素感知器を準備して冬のシーズンはじめにテストしておくことを推奨しています。義務付けしているところもあります。

日本では灯油ストーブやガスコンロなどを使用して暖を取ると思いますが、使用するときは命を守るために、必ず一酸化炭素感知器を準備してください。

 

4.車に緊急非常用のキットを揃えます。(ジャンパーケーブル、懐中電灯、温かい服装、毛布、ミネラルウォーター、スナック、砂、Cat Litter(キャットリッター、携帯トイレの事です)もちろんガソリンは満タンに!

 

5.低体温症と凍傷に気を付ける事。症状と対処方法を学びましょう。寒さは高齢者や幼児たちや心臓病の持病者に健康の危機を与えます。

凍傷:顔、指、つま先の周りの感覚、及び色の消失を引き起こします。兆候は痺れや白または灰色がかった色になる   

アクションは温かい部屋に行きぬるま湯に浸します。体を温める マッサージや加熱パッドを使用しない事!

 

低体温:異常に低い体温の時、直腸温度が35度以下。震え、枯渇、記憶喪失、鈍い発話、眠気。

アクションは温かい部屋へ行き、最初に身体の中心部(胸、首、頭そして鼠径部を温める。乾いた状態に保ち

頭と首を含んで温かい毛布で包む)

 

”「寒さ」そして「雪の降る中」での子供たちへの注意事項”

 

もしあなたが雪の中外出するときは温かい服装を着てください。そしてもし洋服が濡れたら時々家の中に入って着替えてください。
もしあなたがすごく震えだしたり、すごく疲れたり、真っ青になったり、
又寒さのために指先やつま先、耳たぶや鼻lが痺れたらすぐに家の中に入ってください。

冬の嵐の時は、もし旅行中であれば仕方ないけど、家にいなさい。
ラジオやテレビで天気予報を聞きなさい。嵐についての災害情報を聞いて大人にもおしえてあげましょう。

 

”冬の嵐で車に閉じ込められたら!?”

 
もし冬の嵐の時車の中に閉じ込められたらベストなことは車の中にいてそして助けを待ちますか? 冬のひどい嵐の時、車を離れた人々は道に迷ってしまっています。
あなたは車の中にシャベル、水、スナック、ポータブルラジオや携帯電話のチャージャーなどを準備する大人のお手伝いをしてください。雪の中に閉じ込められた時、暖気運転をして車の中を温めますが、気を付けることがあります。一酸化中毒です。雪が周りに積もってきたら、排気管の周りを雪かきしてください。雪でふさがれると排気ガスが逆流して車内の人を一酸化炭素中毒にしてしまいます。


CO 一酸化炭素中毒の事故


”目に見えない殺人者”

 

一酸化炭素中毒は火事でなくなる人の半分の原因になっている「目に見ない」「匂いもしない」気体です。

アメリカでは”Invisible killer(目に見えない殺人者)”と呼ばれています。

火災時に発生する毒ガスと呼ばれるものは

 一酸化炭素  二酸化炭素 シアン化水素 アクロレイン

 ホルムアルデヒド 等

がありますが、今月はその中から「一酸化炭素」についてピックアップします。

 

アメリカでは冬の一酸化炭素事故のうちの大きな要因が発電機です。冬の嵐のあとに発電機を使用する人たちは例えばメイン州のある市では31.4%の世帯でした。中毒の大きな危険因子は地下室やガレージなどの家の付属構造物に発電機を配置することでした。毎年アイスストームの後には多数のCO中毒が予想されています。

 

一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結びつくのが酸素より素早く、肺の中で酸素が血液の中にあるヘモグロビンと結びつき、全身に酸素を運ぶ道を邪魔します。

酸素不足になると、まず脳細胞が機能しなくなり意識を失い、そのまま死亡してしまいます。

 

◆換気不足

東京消防庁管区では、一酸化中毒の燃料別原因の56.6%が(七輪、練炭や火鉢などの炭を使用するもの)です。

炉を使用する”茶の湯”や囲炉裏端のような設備など、昔は家に気密性がなく気にすることもなかったかもしれませんが、家の気密性が高まっている現代では換気に十分気を付けなくてはなりません。

 

次いで、26.5%がガス(ガスコンロ、ガス湯沸かし器やガスファンヒーターなど)です。

定期的に機器の点検と清掃を行うことを心掛けましょう。(参考:東京消防庁資料)

 

 

◆大雪時の車内

近年の異常気象、この時期は大雪に注意です。

首都圏でも近年予想以上の大雪が降ることが増えました。首都圏の交通網は麻痺し、都会のぜい弱さに度々気づかされます。

突然の大量の雪に、雪かき用のシャベルを買いにあわててホームセンターへ駆けつける方、そして慣れない雪かきに追われ疲労困憊・・・という方も多かったことでしょう。

 

さて、その雪かきで一番心配なことは車周りの雪かきです。

北海道などでは知られていますが、普段雪が積もることのない地域では知られていない一酸化中毒です。

自家用車の排気管が雪で詰まっていることに気が付かず、雪かきの間、エンジンをかけて暖房を入れた車の中に人を置いてしまうことです。

雪によって排気管が詰まっていたら、たちまち一酸化中毒になってしまいます。

 

車周りの雪かきを行うときに、車中に人を置いて作業をする場合は、

最初に排気管周りの雪をどかしてからエンジンをかけ、暖房を入れて人を車に入れてください。

参考:東京消防庁資料


Heatng Safety  暖房器の安全


日本では1月が暖房器具による火災発生の一番多い期間です。

 

 

住宅火災は防ぐことができます!

暖房器による火災を防ぐためには下記の事を知って予防することです。

 

◆火災の広がり方はとても速い

何かを持ち出すために取り出したり、電話を掛けたりする暇はありません。

ほんの2分足らずで火災はあなたの命を失わせます。

5分もあれば家全体が炎に包まれるでしょう。

 

◆火災は”Hot”

炎よりももっと危険なのが熱と煙です。

本当に熱い空気を吸ってしまったら、あなたの肺は火傷をしてしまいます。

また、火災は毒ガスを作り出すので、あなたを眠くして避難することをできなくしてしまいます。

 

◆火災は”Dark”

火災により発した煙はあたりを真っ暗にします。

そして、避難路を見えなくしてあなたが逃げ出すのを妨げます。

 

◆火災は”Deadly"

火災によって命を落とす危険があります。

火災はあなたが必要とする酸素を奪い、煙と毒ガスを生み出し、私たちを殺します。

 

◆逃げ遅れを防ぐ

逃げ遅れを防ぐためには、いち早く火災に気が付くことです。

住宅には煙探知器を設置しましょう。

 

◆着衣着火は、窒息消火で消します

すぐにその場で転がって火のついた洋服を床や地面に押し付けると消火します。

 

◆出火後の再侵入は絶対にしない。

例え大事な結婚指輪であっても、取りに戻らないこと。火は最初に脱出したときよりも強くなっています。

 ということを学びましょう。

最後に、暖房器具による火災の安全7か条をご紹介します。

 

Be Warm and Safe This Winter!

今年の冬は暖かくして安全に!

 

  • ストーブの周り3フィート(36cm)以内に可燃物を置かない
  • 子供に対して、Kids-free zone(子供侵入禁止ゾーン)を設定し、理解させる
  • 季節の始めに暖房器具は必ず清掃と点検をしてから使用する
  • 長時間部屋を離れるとき、暖房器具は必ず消す
  • 正しい燃料を使うこと。また、火をつけたまま給油はしない!
  • 煙探知器を毎月テストすること
  • 換気に注意すること

 

 

参考:総務省消防庁 火災白書2013年、NFPA Heartin Safety、US Fire Administration  Home Fire Safety

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